2009年6月21日日曜日

映画:「劔岳・点の記」(つるぎだけ・てんのき)を見てきました

映画「劔岳・点の記」は、新田次郎原作の同名小説の映画化。

天気もイマイチなので、登山気分を映画で楽しむのも良いだろう
と、見に行ってきました。

原作は、山岳小説に熱中した流れで呼んだのだけど、事実に基づいたドキュメンタリータッチなので、淡々と測量の工程が記された、ちょっとドラマ性は無い内容でした。
そもそも、新田次郎の山岳小説の特徴は、山に魅せられた人間の内面を実直に表現したものだと思うのだけど、それは新田次郎が気象職員という観測や記録にたずさわる職業柄を反映してるのかもしれない。
本人は、歴史物などの執筆もあり、「山岳小説家」と呼ばれることを嫌っていたらしい。

個人的には、「銀領の人」は女流登山家の確執などがドラマチックで、そんなに的外れでもないモデルもいる小説が面白いし、「孤高の人」は地元からほど近い六甲山をフィールドにしていた主人公の物語で親近感がある。
文体が古く、登山に使う装備もスタイルも今とはずいぶん違って、読みづらいトコロもあるけどね。

■公開初日・結構な人
さて、映画とはいうと、公開初日だからか、話題になっていたのか、全席埋まっていました。
ちらほら、山をやるんだろうなぁ、というヒトも・・・

山の景色がとても美しく雄大。
山に生活する登場人物の素朴さも良い。
主人公・柴崎芳太郎役の浅井忠信の朴訥な演技は、私が原作から感じる柴崎像とは少し違った。

気の抜きどころの無く緊張するシーンが続きます。
2時間30分の長めの映画ですが、まったく長さは感じない映画でした。

■万人ウケする映画ではないが・・・
この、映画を友人にオススメするかというと、そうでもない。
内容がとても「地味」で、興味の無いヒトには、まったくカスリもしない内容でしょう。
実際、最初から最後まで寝ていた若い男性もいました。

山や登山、それに関係した読み物が大好きなヒトには、まちがいなく、すばらしい映画でしょう。
そして、一緒に行った義父も満足した様子をみると、「日本映画らしい日本映画」が好きなヒトにもオススメできます。



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